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ファイナリスト

Soil and Soul. ~多可町を紐解くと、人が風土と育み合う日本の底力が見えてくる

宮下直樹

* 上記のフォトアルバムは、企画提出に際して提出されたフォトプリントをスキャンしたものになります。


コンセプト

 

 

古くは平安貴族「藤原氏」の荘園として重用されたように、多可町の豊かな風土は古くから紙業(杉原紙)・農耕(山田錦)・林業(杉・檜)・繊維業(播州織)などを育んできました。

生まれたばかりの多可町が、過疎化のすすむ町ではなく、肥沃な風土と暮らしを受け継ぐ豊かな地域であることを伝え、魅力ある町人の姿とともに、日々の暮らしぶりとその中にある美しさ、そして新たなビジネスにもチャレンジし続ける勇敢さとを、多可町内外に伝えるものにしたいと考えます。

映像のトーン&マナーは、人の厚み・魅力を全面に写し込みながら、キーとなるアイテムや美しい多可町の景色を描写します。

 

 

ストーリー

 

 
 
 

多可町の風土・景色を描写。

山林・寺社・棚田など、ロケ後のカットを見ながら町と風土の印象的な情景を描く。

 

多可町の情景描写後、映像のタイトルを書き上げる、ごとうみのる先生。その達筆をしたためた和紙、杉原紙について語りだします。

「杉原紙は、奈良時代から今も宮中で使われている、由緒あるもの」

「厳冬期に渓谷の川に入って楮の皮を打ち付け晒すことで白さを際立たせるといいます。まさに、多可町の風土のたまものですね」

「ここにアトリエ構えてて思うんですけど、この多可町って場所は、何もない山里とか思われますけど、豊かな自然環境の中にあるんだと思うんですよ。平安時代に藤原氏の荘園やったっていうのも、うなずける話ですよね」

 

「そういえば、マイスター工房 八千代のあのひとも『藤原』さん。。。なんかつながりあったりして。」

逆境から立ち上がり、地域のひと・ものや資源を惜しみなく注ぎ込んだマイスター工房 八千代の立ち上げに携わった藤原さんのお話へ。

「人も食材もできるかぎり地元のものを。醤油も多可町はええのんがありますよ。」

人の力によって活力が生まれている、多可町の今を伝えべく、継承と革新を武器にマーケットを世界へ広げる足立醸造や、cambioが手がける鹿肉を使ったドッグフードの事業、多可町の山林に魅せられて移住してきた太田工務店の太田社長の話など、多可町の自然と資源を生かしながらうまれる新しいビジネスの担い手たちのメッセージを映し込みます。

 

近代以降の発達した交通網や都市生活。その大小に失われてきた地域の暮らしと古くから受け継いできた生活様式。そこには、土着の人々が長い時間をかけて育ててきた共生の仕方、地域としての生き方がありました。

「soil and soul.」

「日本の基礎を固めた平安貴族のDNAを受け継ぐ町」

「多可町をひも解くと、人が風土と育み合う日本の底力がみえてくる」

多可町が上澄みの物語に惑わされることなく、自分たちのルーツを感じ誇りを持ってこれからも営みを続けれるよう、そのきっかけとなる短編の映像を描き出します。

 

宮下 直樹 / 映像作家

株式会社博報堂でのアカウントプロデュース職を経て、2006年に独立。

故郷である京都と東京を行き来しながら、伝統文化・芸能・工芸の活性に独自の視点で取り組む。2015年以降、写真・映像表現を入口にクライアントのブランディングから商材・プロジェクトのプロモーションまでをワンストップで手がける。現在、日本産漆の活性に向けたプロジェクト「うるしのいっぽ」や京都府伊根町でのプロジェクトなど、日本文化のアーカイブや地域の魅力の掘り起こしに取り組む。

Website http://www.miyashitanaoki.net/